2004年08月
山嵐(1)
ぼくが柔道を始めたのきっかけとなったのは、小学1年の頃にテレビで姿三四郎見たことだった。
ただその時は、三四郎がいつも山嵐という技で勝つもんだから、漠然と「山嵐かっこいいのう」と思っていただけにすぎなかったが。
その後柔道に対する思いがだんだん募っていき、ある日、母に「柔道を習わせてくれ」と頼んだ。
東京オリンピックで柔道が正式種目になったり、美空ひばりの『柔』がヒットしたりしていたせいもあり、家族は柔道に対して好印象を持っていた。
そこで「決してやめない」という条件で、柔道を習わせてもらうことになった。
さっそく母と、家から一番近くにある町道場に、入門手続きを取るべく行った。
「ごめんください」
「はい」
先生らしき人が出てきた。
「この子に柔道を習わせたいんですが」
「何年生かね」
「小学1年生ですけど」
「1年生?柔道は危険だから、小学校の高学年になって体が出来てから来なさい」
ということで、この時の柔道入門は却下された。
その後も柔道に対する情熱は衰えなかった。
小学5年生の時だった。
もう高学年になったからいいだろうと思い、母に頼んで道場に連れて行ってもらった。
ところが、また却下である。
理由は1年生の時と同じく、「柔道は危険だから、体が出来てから来なさい」だった。
しかし、その時は母が粘った。
「1年生の時、一度こちらに伺ったんですが、その時も『体が出来てから来い』と、今日と同じことを言われました。その頃に比べると体も大きくなっています。もういいだろうと思って来たんですが、まだだめなんですか?」
「はい。まだ規定に達していないからですなあ…」
「じゃあ、何年になったらいいんですか?」
「うっ…。6年、そう6年生になったら来なさい」
「じゃあ、6年になったら来ますから、お願いします」
ところで、1年の時はわからなかったのだが、5年の時は何か不思議な感じがしたものだ。
柔道場と言えば、結構広いようなイメージを持っていたのだが、なぜかその道場は狭かった。
それに、そこにいるのは先生と事務員さんだけで、練習生らしき人が一人もいなかった。
まあ、たまたま休みだったのだろう、と思うことにした。
そんなことよりも、6年生になれば念願の柔道が習えるという、喜びのほうが大きかった。
ただその時は、三四郎がいつも山嵐という技で勝つもんだから、漠然と「山嵐かっこいいのう」と思っていただけにすぎなかったが。
その後柔道に対する思いがだんだん募っていき、ある日、母に「柔道を習わせてくれ」と頼んだ。
東京オリンピックで柔道が正式種目になったり、美空ひばりの『柔』がヒットしたりしていたせいもあり、家族は柔道に対して好印象を持っていた。
そこで「決してやめない」という条件で、柔道を習わせてもらうことになった。
さっそく母と、家から一番近くにある町道場に、入門手続きを取るべく行った。
「ごめんください」
「はい」
先生らしき人が出てきた。
「この子に柔道を習わせたいんですが」
「何年生かね」
「小学1年生ですけど」
「1年生?柔道は危険だから、小学校の高学年になって体が出来てから来なさい」
ということで、この時の柔道入門は却下された。
その後も柔道に対する情熱は衰えなかった。
小学5年生の時だった。
もう高学年になったからいいだろうと思い、母に頼んで道場に連れて行ってもらった。
ところが、また却下である。
理由は1年生の時と同じく、「柔道は危険だから、体が出来てから来なさい」だった。
しかし、その時は母が粘った。
「1年生の時、一度こちらに伺ったんですが、その時も『体が出来てから来い』と、今日と同じことを言われました。その頃に比べると体も大きくなっています。もういいだろうと思って来たんですが、まだだめなんですか?」
「はい。まだ規定に達していないからですなあ…」
「じゃあ、何年になったらいいんですか?」
「うっ…。6年、そう6年生になったら来なさい」
「じゃあ、6年になったら来ますから、お願いします」
ところで、1年の時はわからなかったのだが、5年の時は何か不思議な感じがしたものだ。
柔道場と言えば、結構広いようなイメージを持っていたのだが、なぜかその道場は狭かった。
それに、そこにいるのは先生と事務員さんだけで、練習生らしき人が一人もいなかった。
まあ、たまたま休みだったのだろう、と思うことにした。
そんなことよりも、6年生になれば念願の柔道が習えるという、喜びのほうが大きかった。
台風情報
イーグルスのチケット(後)
カードは家にしかない。
家に戻るのは早くても午後8時半である。
この状況からして、その時間までチケットが残っているとは考えられない。
ぼくは泣きたくなった。
しかし、このまま泣き寝入りするのも癪である。
「どうにかしなければ」
そこでもう一度カード入れの中を調べた。
やはりJCBカードは一枚も入っていない。
と恨めしくカードを元に収めようとした時だった。
『JCB』のロゴが見えたのだ。
「おっ!?」
よく見ると、それは銀行のキャッシュカードだった。
「そういえばこのカード、JCBと提携していたんだった」
これで何とかなりそうだ。
さっそくぼくはカード番号を携帯に書き込み、送信ボタンを押した。
しばらく待っていると、また「大変混み合っています。しばらくしてからアクセスしてください」の表示が出た。
再び『再読込』を押してみた。
ところが、今度は何度やっても画面が出てこなくなった。
10分ほど経過したが、画面が変わる気配はまったくない。
「しかたない。また1からやり直すか」と思い、通信を切った。
しかしよく考えてみると、チケットはちゃんと手に入ったのだ。
もう一度やり直すということは、余分に買うことに他ならない。
「さてどうしたものか?」と考えている時だった。
携帯の着信音が鳴った。
メールが届いたのだ。
何だろうと見てみると、それはJCBからのメールだった。
開いてみると『決済が完了しました』と書いてあるではないか。
チケットは郵送するとのこと。
「おお!」
成功である。
これでまた人生が広がる。
ということで、11月5日、福岡ドームに入って参ります。
しかし今回のチケット発売日のように、延期になることはないだろうか?
それが心配である。
家に戻るのは早くても午後8時半である。
この状況からして、その時間までチケットが残っているとは考えられない。
ぼくは泣きたくなった。
しかし、このまま泣き寝入りするのも癪である。
「どうにかしなければ」
そこでもう一度カード入れの中を調べた。
やはりJCBカードは一枚も入っていない。
と恨めしくカードを元に収めようとした時だった。
『JCB』のロゴが見えたのだ。
「おっ!?」
よく見ると、それは銀行のキャッシュカードだった。
「そういえばこのカード、JCBと提携していたんだった」
これで何とかなりそうだ。
さっそくぼくはカード番号を携帯に書き込み、送信ボタンを押した。
しばらく待っていると、また「大変混み合っています。しばらくしてからアクセスしてください」の表示が出た。
再び『再読込』を押してみた。
ところが、今度は何度やっても画面が出てこなくなった。
10分ほど経過したが、画面が変わる気配はまったくない。
「しかたない。また1からやり直すか」と思い、通信を切った。
しかしよく考えてみると、チケットはちゃんと手に入ったのだ。
もう一度やり直すということは、余分に買うことに他ならない。
「さてどうしたものか?」と考えている時だった。
携帯の着信音が鳴った。
メールが届いたのだ。
何だろうと見てみると、それはJCBからのメールだった。
開いてみると『決済が完了しました』と書いてあるではないか。
チケットは郵送するとのこと。
「おお!」
成功である。
これでまた人生が広がる。
ということで、11月5日、福岡ドームに入って参ります。
しかし今回のチケット発売日のように、延期になることはないだろうか?
それが心配である。
と思ったら
いよいよ到来
台風
イーグルスのチケット(中)
ところで、チケットの予約や販売だが、ぼくは過去何度か挑戦したことがある。
が、一度も成功したことがない。
一般電話、携帯電話、PHSを駆使してやったこともある。
しかし繋がらない。
ようやく繋がったと思ったら、「予約受付は完了いたしました」というつれない女性の声だ。
予約を開始してまだ20分しか経っていなかった。
何度やってもこんな調子なので、昨年の日本シリーズは最初からテレビ観戦を決め込んでいた。
で、今回のイーグルスだが、iモードを使っての販売だった。
いつも電話なので、これはやったことがない。
まあ、こちらのほうが気ぜわしくなくてすむ。
さて、その日がやって来た。
9時頃に一度予行演習をしたのだが、その際、なるべく早くアクセス出来るようにと、ログイン画面を『画面メモ』に入れておいた。
いよいよ10時になった。
さっそく『画面メモ』を開き、IDとパスワードを入れアクセスした。
ところが、ここでも繋がらない。
「大変混み合っています。しばらくしてからアクセスしてください」の表示。
しかし、今日はひるまなかった。
ID入力からやり直すのは時間の無駄だし、面倒である。
そこで何度も何度も『再読込』を繰り返した。
次に進んだ。
これで、何度もやっていると繋がることがわかった。
一つ進めば、また「大変混み合っています…」の表示が出る。
そこも『再読込』でクリア。
そういうことを繰り返していくうちに、さっと画面が出てきた。
見てみると「チケットを確保しました」の文字があるではないか。
「やったー」
思わず声が出た。
人生初めての、チケットゲットである。
気をよくしたぼくは、ボタンを押し続けた。
ところがである。
最後の最後に大きな問題が起きた。
カード番号を記入する画面が出てきたのだ。
ぼくは普段、クレジットカードはぷららカードしか持ち歩かない。
タバコを買うのも、ガソリンを入れるのも、すべてぷららカードでやっているのだ。
なぜかというと、このカードを使うとプロバイダ代がタダになるからである。
そういうことなので、その時もぷららカードしか持ち合わせていなかった。
今回のチケット販売はJCBの会員だけなのである。
だから、支払はJCBでなければならないのだ。
これは困ったことになった。
どこかにJCBは隠れてないかと、何度もカード入れや免許証入れの中を探した。
が、入っているのは例のぷららカードと銀行のキャッシュカードだけである。
「あーあ、せっかくここまできたのに…」
が、一度も成功したことがない。
一般電話、携帯電話、PHSを駆使してやったこともある。
しかし繋がらない。
ようやく繋がったと思ったら、「予約受付は完了いたしました」というつれない女性の声だ。
予約を開始してまだ20分しか経っていなかった。
何度やってもこんな調子なので、昨年の日本シリーズは最初からテレビ観戦を決め込んでいた。
で、今回のイーグルスだが、iモードを使っての販売だった。
いつも電話なので、これはやったことがない。
まあ、こちらのほうが気ぜわしくなくてすむ。
さて、その日がやって来た。
9時頃に一度予行演習をしたのだが、その際、なるべく早くアクセス出来るようにと、ログイン画面を『画面メモ』に入れておいた。
いよいよ10時になった。
さっそく『画面メモ』を開き、IDとパスワードを入れアクセスした。
ところが、ここでも繋がらない。
「大変混み合っています。しばらくしてからアクセスしてください」の表示。
しかし、今日はひるまなかった。
ID入力からやり直すのは時間の無駄だし、面倒である。
そこで何度も何度も『再読込』を繰り返した。
次に進んだ。
これで、何度もやっていると繋がることがわかった。
一つ進めば、また「大変混み合っています…」の表示が出る。
そこも『再読込』でクリア。
そういうことを繰り返していくうちに、さっと画面が出てきた。
見てみると「チケットを確保しました」の文字があるではないか。
「やったー」
思わず声が出た。
人生初めての、チケットゲットである。
気をよくしたぼくは、ボタンを押し続けた。
ところがである。
最後の最後に大きな問題が起きた。
カード番号を記入する画面が出てきたのだ。
ぼくは普段、クレジットカードはぷららカードしか持ち歩かない。
タバコを買うのも、ガソリンを入れるのも、すべてぷららカードでやっているのだ。
なぜかというと、このカードを使うとプロバイダ代がタダになるからである。
そういうことなので、その時もぷららカードしか持ち合わせていなかった。
今回のチケット販売はJCBの会員だけなのである。
だから、支払はJCBでなければならないのだ。
これは困ったことになった。
どこかにJCBは隠れてないかと、何度もカード入れや免許証入れの中を探した。
が、入っているのは例のぷららカードと銀行のキャッシュカードだけである。
「あーあ、せっかくここまできたのに…」
台風接近か?
台風前日
イーグルスのチケット(前)
今月の11日だった。
いつものようにその日に来たメールに目を通していたのだが、その中にJCBからのメールがあった。
普段なら、どうせ下らん内容だだからと、そのまま読まずに飛ばすのだが、この件名に目が止まった。
『【先行発売】イーグルス』である。
イーグルスが来日し、東京で公演をやるのは知っていた。
気になっていたことなので、いちおうそのメールに目を通してみたところ、
『イーグルスの9年ぶり3度目の来日。待望の福岡公演決定!
【受付期間】8月25日(水)正午~11:59PM
【会 場】福岡ドーム
【公演日時】11月5日(金)6:00PM開演』
と書いてある。
何と何と福岡に来るではないか。
今月頭にジャニス・イアンのコンサートに行って、有名なアーテイストを、同じ空気の中で味わうことが、どれほどすばらしいものかというのを実感したものだ。
大げさに言えば、人生が広がったような気がしたのだ。
その人生をもっと広げるためには、なるべく多くのアーティストに触れる必要がある。
イーグルス、うってつけである。
実は「イーグルス来日」の話を聞いた時、東京に行きたいと思っていたのだ。
しかし、それをやると最低2連休は必要になる。
今の職場の人員ローテーションだと、それはちょっときつい。
そのため、泣く泣く諦めていた。
そういう時に今回のメールである。
これは何とかしなければ。
一昔前なら「かーちゃんを質に入れても見に行く」というところだが、今はカードという手段がある。
さっそくJCBチケットに登録し、発売日の25日を待った。
ところが、その日の朝、携帯でJCBのサイトを確認したのだが、どこにも「本日イーグルスのチケット発売」などと書いていない。
おかしいなと思い、発売情報のところを見てみると、何と28日午前10時からになっているではないか。
携帯でメールのチェックをしてみたのだが、最初に見てもらったとおり、発売はちゃんと25日正午になっている。
その後も発売日時変更のお知らせは来ていない。
「おかしい」と思いながらも、その日の挑戦はやめ、28日を待つことにした。
いつものようにその日に来たメールに目を通していたのだが、その中にJCBからのメールがあった。
普段なら、どうせ下らん内容だだからと、そのまま読まずに飛ばすのだが、この件名に目が止まった。
『【先行発売】イーグルス』である。
イーグルスが来日し、東京で公演をやるのは知っていた。
気になっていたことなので、いちおうそのメールに目を通してみたところ、
『イーグルスの9年ぶり3度目の来日。待望の福岡公演決定!
【受付期間】8月25日(水)正午~11:59PM
【会 場】福岡ドーム
【公演日時】11月5日(金)6:00PM開演』
と書いてある。
何と何と福岡に来るではないか。
今月頭にジャニス・イアンのコンサートに行って、有名なアーテイストを、同じ空気の中で味わうことが、どれほどすばらしいものかというのを実感したものだ。
大げさに言えば、人生が広がったような気がしたのだ。
その人生をもっと広げるためには、なるべく多くのアーティストに触れる必要がある。
イーグルス、うってつけである。
実は「イーグルス来日」の話を聞いた時、東京に行きたいと思っていたのだ。
しかし、それをやると最低2連休は必要になる。
今の職場の人員ローテーションだと、それはちょっときつい。
そのため、泣く泣く諦めていた。
そういう時に今回のメールである。
これは何とかしなければ。
一昔前なら「かーちゃんを質に入れても見に行く」というところだが、今はカードという手段がある。
さっそくJCBチケットに登録し、発売日の25日を待った。
ところが、その日の朝、携帯でJCBのサイトを確認したのだが、どこにも「本日イーグルスのチケット発売」などと書いていない。
おかしいなと思い、発売情報のところを見てみると、何と28日午前10時からになっているではないか。
携帯でメールのチェックをしてみたのだが、最初に見てもらったとおり、発売はちゃんと25日正午になっている。
その後も発売日時変更のお知らせは来ていない。
「おかしい」と思いながらも、その日の挑戦はやめ、28日を待つことにした。