頑張る40代!

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう。

カテゴリ: 筋向かいの人たち

(3)
さて、その次に多いのがタマコだ。
アホなくせに口だけは達者な奴だった。
昨年結婚したが、今はどうしているのだろう。
別に会いたくはないが、たまにからかってみたくなることがある。

そういえば、この日記を書き始めた頃に、甘栗ちゃんという変な子がいた。
顔はかわいかったのだが、微妙にピントがずれていた。
天然なのかと本人に聞くと「いいえ、地です」と言ったり、「小泉首相」のことを「小泉しゅそう」と言ったり、三波春夫を加山雄三だと思っていたり…、おかげでずいぶん楽しい思いをさせてもらったものだ。
タマコと違って、この子は見ているだけで面白かった。
そういう意味で、一番印象に残っているのは、甘栗ちゃんなのかもしれない。


(1)
昼間、この日記を綴っていた間、一番印象に残ったのは誰だろうと考えていた。
日記を書く以前は、モリタ君という凄い方がおられた。
だが、この日記を書く頃には、彼はぼくの中でも過去の人になっていた。

最近では、ヒロミちゃんか?
とにかく、この日記最高の登場回数39回を誇る。
ただ、この人とは30年近くの付き合いがあるから、当然日記以前の知り合いだ。
ということで、却下。

次に多いのが嫁ブーだが、これも却下。
これは生活上の登場に過ぎないからだ。

(2)
次に多いのが誰かというと、酔っ払いのおいちゃんだ。
店に来ては、お客さんにクダを巻く。
冬場は店に居座ってなかなか帰ろうとしない。
挙げ句の果ては寝小便だ。
まあ、そういうのがこの人の地なら目も瞑ったのだが、実はこのおいちゃん、えらく計算高い人だったのだ。

雨の降る夜には、警察署の前でさんざん悪態をつき、相手にされないとわかると死んだふりをしたりして、留置場に泊めてもらおうとする。
また、従業員何人かで抱えて外に放り出したことがある。
その時酔っ払っているはずのおいちゃんは、放り投げようとするぼくたちに向かって、静かな声で「そおっと置け」と指示したのだ。

あとで気づいたことだが、おいちゃんの行動は、ほとんどがパフォーマンスだった。
つまり、酔っ払ったふりをしていただけなのだ。
なぜそんなことをやっていたのかというと、要は一人で寂しいから、誰かに構ってもらいたかったということなのだろう。
それならそういう態度でいればいいものを、変に我を張るもんだから誰にも相手にされなくなり、結局ああいうパフォーマンスでしか自分の存在を示すことが出来なくなったのだ。

おいちゃんは、すでに故人である。
おそらく死んでから、自分の過ちに気づかされたのではないのか。
で、今はあの世で反省しているところだろう。


飲み友だちに、寂しがり屋の先輩がいる。
一人でいるのが辛いのか、しょっちゅう誰彼に電話しているし、意味もなく飲み会の招集をかけたりもする。
年上だし、無碍には出来ないから、スケジュールに多少の無理があっても、なるべくぼくはその飲み会には参加するようにしている。

しかし、50歳を過ぎた寂しがり屋というのも困りものだ。
夜遅くに、泥酔した声で「しんちゃーん、何してんの~♪」なんて電話をかけてきてグダグダ言われるのも、何の前触れもなく突然「何月何日飲み会するぞ。場所決めとってねー。(ガチャ)」とやられるのも、あんまり気分のいいものではない。

先輩、いい年なんだから、もう寂しがり屋なんて卒業して下さいよ。
出来たら、楽しがり屋になって下さい。
そうすれば、一人でも充分に楽しめるはずですから。


昨夜、用があって嫁ブーの実家に行った。
そこには例の干物女、姪も来ていた。
ぼくたちが着いた頃には、当然のように寝ていた。
そして食事をする頃、においを嗅ぎつけて起きてきた。
昨夜はすき焼きだったが、干物女は肉ばかり食べていた。

さて、話はジャージのことになった。
「N美ちゃん、ネットで三本線のジャージ探したんやけど、アディダスの上等なヤツしかないんよね」
「それでいいよ」
「いや、それじゃイメージと合わん」
「どんなイメージなんね?」
「貧乏臭い伸びたジャージ。おれの中学のときのジャージがあったなあ…」
「そんなのもらったって着らんよ」
「えっ、それは困った。イメージピッタリのに」

「それよりも日本酒がいい」
「日本酒好きなん?」
「うん、大好き」
「じゃあ今度、おいしい日本酒を飲ませてやろう」
「それでお願いします」
ということで、ヒロミと飲む時にでも誘ってやることにした。


日曜日、嫁ブーの実家の夕食に呼ばれた。
行ってみると例の干物の姪がいた。
すでに食事は始まっていて、姪はポイポイと口の中におかずを放り込んでいた。
姪と会うのは4月以来だ。
あの頃は長袖を着ていたせいで、そこまで太っては見えなかったのだが、今回はタンクトップである。
充分に脂がのった、たくましい肩が、露わになっていた。

食事が終わった後、きつかったのか、ジーンズからジャージに履きかえていた。
「あー、楽になった」と言いながら、ソファに横たわった。
「Nちゃんは、小学生の時から何も変わってないのう」とぼくが言うと、姪は「えっ、そうかねえ?」と言う。
「小学生の頃も、食事の後ジャージに履きかえて、『あー、楽になった』と言いよったやん」
「言ってないよー」
「いや言った。で、いつ行っても、今みたいに家でゴロゴロしとった」
「起きとったよう」
「学校から帰っては寝、塾から帰っては寝、部屋は散らかしっぱなしやし」
「‥‥」

それでも姪は、ソファから起き上がろうとせず、ゴロゴロしていた。
「よし、今度ジャージ買ってやろう」
「えっ?」
「ゴロゴロするのに必要やろ」
「…うん」
「アディダスとデサント、どっちがいい?」
「どっちでもいいよ」
「三本線でいいやろ」
「お任せします」
ということで、今、アディダスの三本線ジャージを探している。


昨日、ドラマ『ホタルノヒカリ』を見ていて思ったことだが、主人公はうちの姪によく似ている。
いや、顔が似ているというわけではない。
家にいる時の行動がそっくりなのだ。
つまり『干物女』だということだ。
とにかく家の中では、いつもゴロゴロしている。

姪が小学生だった頃、ぼくたち夫婦は、よく姪の家に遊びに行っていた。
その時点で、早くもゴロゴロしていた。
夕方頃に行くことが多かったのだが、すでに学校から帰ってきていた姪は、いつも寝ていた。
食事時にボーッとした顔をして起き出してきて、ぼくたちを見つけると、「あ、来とったんね」と感動もなく言う。
そして食事のあとはまた寝るという、食っちゃ寝の生活をしていたのだ。
食べるものは肉ばかり、そのせいでかなり太っていた。
出たがりの妹とは対照的で、どこかに遊びに行こうと誘っても、「わたし行かんよ。家で寝とくけ」と言って、布団の中に潜り込んでいた。

中学、高校、大学でもこの性格は治らなかった。
他の人が恋愛に命を賭けている頃、この人はそういうことに脇目もふらず、布団の中で寝ていた。
部屋着はもちろんジャージ。
「これ楽やもん」と好んで着ていた。

社会人となった今でも、基本的に干物女だから、家にいる時はやはりゴロゴロしているらしい。
だが、少し色気づいたのか、たまに飲みに出かけているようになったという。
ところが飲みに行くメンバーはいつも決まっていて、高校の同級生らしい。
同性ばかりらしいが、合コン目的などではなく、ただの同級会。
つまり思い出話発散会だ。
ということで、今もって姪には彼氏がいない。


先月の30日、車を運転しているときに、ヒロミから電話がかかった。
住所を教えてくれと言う。
「何で?」と聞くと、
「いつもお世話になっとるけ…」お中元をくれるのだと言う。
そこで住所を教えたのだが、
「ねえ、ボリ(嫁ブーのこと)の名前、ユキエってどういう字やったかねえ?」と、また馬鹿なことを聞いてきた。
何度も言っているが、ヒロミと嫁ブーは高校時代からの付き合いだ。
ということは、30年くらい付き合っていることになる。
それなのに、ヒロミは嫁ブーの名前を知らないのだ。
「ユキエじゃない。ユキ」
「あ、そうやったかねえ」
「そう」
「じゃあ、宛名はしんたさんにしとくね」
というわけで、今月の3日にそのお中元が届いた。

さてその日、ぼくたちはイオンにお返しを買いに行った。
何にしようか迷ったあげく、結局銀座千疋屋のアイスクリームにしておいた。

昨日のこと。
あれから1週間経つが、ヒロミから届いたという連絡が入らない。
「おい、ヒロミから何か言うてきたか?」
「いいや」
「着いたんかのう?」
「さあ?」
「ちょっとイオンに電話して聞いてみ」
嫁ブーはさっそく、イオンに連絡した。

「え、まだなんですか?」
「‥‥‥」
「もう1週間経つんですよ」
「‥‥‥」
「門司です」
「‥‥‥」
「市内で1週間以上かかるんですか?」
「‥‥‥」
「わかりました。明日ですね。よろしくお願いします」

相手の言ったとおり、ヒロミから今日届いたと連絡があった。
しかし、注文して八日もかかるとは思わなかった。
デパートと違って、スーパーは配達慣れしてないのかもしれない。
あと二日ずれ込んでいたら、もうお盆になっていた。
そうなったら、お歳暮が正月に届くのと同じことになってしまう。
それではありがたみもないだろう。
ということで、次回は配達慣れした所に頼むことにしよう。


昨日、ヒロミから「明日休みだから遊ぼうね」というメールが届いた。
そこで嫁ブーに連絡を取らせ、会うことになった。
午前中はヒロミも嫁ブーも病院に行っていたので、会ったのは昼以降だった。

エアコンの効かない車で、嫁ブーと二人小倉まで行った。
街の中心部では駐車しづらいので、ちょっと離れたところに駐めることにしたのだが、ぼくたちやヒロミが知っている共通の場所といえば、昔いっしょに働いていた会社しかない。
ということで、ヒロミにそちらに来てもらった。
その会社、ぼくが働いていた頃は5階建てのビルだったが、今は建て替えて3階建てになっていた。
そこには、まだ何人かの同僚が働いているらしい。
が、会社部は3階で駐車場は1階ということで、会うこともなかった。

その後ぼくたちはショッピングセンターに行って、食事をしたり買い物をしたりしたのだが、今日はそれほど時間がなかったし、雨もけっこう降っていたので、遠出はしなかった。
次回はいつになるかわからないが、時間をゆっくり取って、温泉巡りでもしてみようと思っている。

ところで、ヒロミだが、何の病院に行っているのかと聞いてみると、耳鼻科に行っていると言う。
耳鼻科と聞いて、ぼくはてっきり、爪楊枝で耳をかき回しすぎて炎症を起こしたものと思っていた。
ところが、悪いのは鼻だという。
「え、鼻に爪楊枝入れたんか?」
「え、爪楊枝?」
「おう。爪楊枝で鼻の中をかき回して、鼻が悪くなったんやろ?」
「そんなことするわけないやん」
「じゃあ何の病気か?」
「鼻炎よ、アレルギー性の鼻炎」
「なんか鼻炎か」

ヒロミなら、鼻に爪楊枝を入れてかき回すくらい平気でやりそうなので、返事を期待していたのだが、そうか、鼻炎だったのか。
ちょっと残念だ。


嫁ブーが背中を痛め、昨日は会社を早退して、今日は休んだ。
ちょっと動いただけでも、背中にズキンと痛みが走るらしい。
嫁ブーは寝相が悪いから、寝ている時にでも背骨が若干ずれたのではないだろうか。
きっと背骨が神経を圧迫しているのだと思う。

もしそうなら、ぼくはよく体験している。
こういう場合、ぼくなら痛みをこらえて背骨の矯正をする。
ちょっとポキッと言わせれば治る場合が多いからだ。
鳴らなければ鳴るまでやる。
そのうちポキッと鳴って、いい具合に背骨がはいってくれる。
あとは筋に痛みが残っているものの、すでにズキンという痛みではなくなっている。
ただの炎症に過ぎないから、二日もすれば治ってしまう。

しかし、嫁ブーはこういうのが出来ないのだ。
前に一度矯正してやったことがある。
その時は、いちおうは良くなったのだが、固定する力が弱いのか、翌日またずれてしまい、痛みはさらにひどくなったらしい。
そういうことがあったので、もう余計なことはしないことにしている。

今回も、いつものように整骨院に行ったようだ。
その整骨院、昨年開院したところなのだが、何かあるたびに嫁ブーは行くので、そこの人たちとすっかり顔なじみになったらしい。
ということは、すでに年寄りの仲間入りをしたということか?
まあ、いいや。ゆっくり治してくださいませ。


朝、嫁ブーを会社に送っていったあと、家の近くのホームセンターにお茶を買いに行った。
店に入る前に小便がしたくなって、慌ててトイレに駆け込んだのだが、なぜかトイレの中に整髪料のニオイが漂っていた。
「このニオイ、前に嗅いだことがある。確か薬剤師のH先生のニオイだったが、まさかこんなところにいるはずはないし…」
そんなことを考えながら用を足していると、個室から人が出てきた。
その瞬間、ニオイが強くなった。
どうやら、その人がニオイの元のようだ。
振り向くと、そこにいたのは、いるはずもないと思っていたH先生だった。

ぼくが「H先生!」と声をかけると、H先生はこちらを見た。
「おお、しんちゃんやないね」
「お久しぶりです」
「ここで何しよると?」
「お茶を買いに来たんですよ。先生は何してるんですか?」
「通勤途中でね」
ということは、先生はホームセンターに、大便をしにきたわけだ。

その後10分ほど近況報告をしあい、「では、また」と言って別れたが、おそらくぼくが先生の勤めている店に行くことはないだろうし、こういう偶然がない限り、今後の再会は難しいということだ。


昼間、会社に行っている嫁ブーから連絡があった。
早引きするというのだ。
前にギックリ腰や坐骨神経痛で早引きしたことがあるので、今回もてっきりそれだろうと思った。
「また腰をやったんか?」
「いや」
「坐骨か?」
「違う」
「じゃあ何か?」
「ゾクゾクして気分が悪いんよ」
そういえば何日か前に、嫁ブーの友だちから、ウィルス性の病気にかかって、ずっと吐きまくっているという電話が入ったことがある。
まさか嫁ブーはそれに感染したのではないだろうか。
しかし、電話感染なんかするはずはないし…。

とりあえず、電話を切ってから、ぼくはすぐに迎えに行き、その足で病院に連れて行った。
駐車場で待つこと1時間、病院から出てきた嫁ブーは、えらくさっぱりした顔をしていた。
「例のウィルスか?」
「いいや」
「じゃあインフルエンザか?」
「ただの風邪の引き始めらしいんよ」
「そうか」

もしウィルス性とかだったら長引くだろうし、我が身にも降りかかるところだった。
大したことなくてよかった。


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