頑張る40代!

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう。

カテゴリ: 嫁ブー

嫁ブーが背中を痛め、昨日は会社を早退して、今日は休んだ。
ちょっと動いただけでも、背中にズキンと痛みが走るらしい。
嫁ブーは寝相が悪いから、寝ている時にでも背骨が若干ずれたのではないだろうか。
きっと背骨が神経を圧迫しているのだと思う。

もしそうなら、ぼくはよく体験している。
こういう場合、ぼくなら痛みをこらえて背骨の矯正をする。
ちょっとポキッと言わせれば治る場合が多いからだ。
鳴らなければ鳴るまでやる。
そのうちポキッと鳴って、いい具合に背骨がはいってくれる。
あとは筋に痛みが残っているものの、すでにズキンという痛みではなくなっている。
ただの炎症に過ぎないから、二日もすれば治ってしまう。

しかし、嫁ブーはこういうのが出来ないのだ。
前に一度矯正してやったことがある。
その時は、いちおうは良くなったのだが、固定する力が弱いのか、翌日またずれてしまい、痛みはさらにひどくなったらしい。
そういうことがあったので、もう余計なことはしないことにしている。

今回も、いつものように整骨院に行ったようだ。
その整骨院、昨年開院したところなのだが、何かあるたびに嫁ブーは行くので、そこの人たちとすっかり顔なじみになったらしい。
ということは、すでに年寄りの仲間入りをしたということか?
まあ、いいや。ゆっくり治してくださいませ。


昼間、会社に行っている嫁ブーから連絡があった。
早引きするというのだ。
前にギックリ腰や坐骨神経痛で早引きしたことがあるので、今回もてっきりそれだろうと思った。
「また腰をやったんか?」
「いや」
「坐骨か?」
「違う」
「じゃあ何か?」
「ゾクゾクして気分が悪いんよ」
そういえば何日か前に、嫁ブーの友だちから、ウィルス性の病気にかかって、ずっと吐きまくっているという電話が入ったことがある。
まさか嫁ブーはそれに感染したのではないだろうか。
しかし、電話感染なんかするはずはないし…。

とりあえず、電話を切ってから、ぼくはすぐに迎えに行き、その足で病院に連れて行った。
駐車場で待つこと1時間、病院から出てきた嫁ブーは、えらくさっぱりした顔をしていた。
「例のウィルスか?」
「いいや」
「じゃあインフルエンザか?」
「ただの風邪の引き始めらしいんよ」
「そうか」

もしウィルス性とかだったら長引くだろうし、我が身にも降りかかるところだった。
大したことなくてよかった。


昨日25日は結婚記念日だった。
ぼくたち夫婦は結婚式を挙げてないから、籍を入れた日が自ずと結婚記念日となるのだ。
と言って、何かやったわけではない。
ただ普段通り一日が過ぎていっただけだ。

結婚記念日が12月25日だと言うと、よく「クリスマスが結婚記念日。ふーん、ロマンチックなんやね」と言われる。
が、別にその日がクリスマスだったから、その日を選んだわけではない。
籍を入れる時に「大安の日に入れた方がいいよ」などと言われたので、大安を調べたらたまたま12月25日だったというわけだ。
その月は他に31日も大安だったが、大晦日は朝早い出勤だったため、区役所に行けなかったのだ。

さて、何日か前に見た『結婚できない男』で、結婚記念日を覚えてない夫に妻が腹を立て、あわや仕事がキャンセルになりそうになった話があった。
一般的に、結婚記念日というのは、どちらかというと妻のほうが覚えていて、夫のほうは忘れていることのほうが多いものである。
そのせいで、このドラマのようにトラブルにまで発展することも珍しくないと聞く。
だが、クリスマスなどのような覚えやすい日を選んでおけば、絶対に忘れないだろう。

ということで、『結婚できない男』を見ている時に、その話になった。
「そういえば、おれたちも、もうすぐ結婚記念日やのう」
「あ、そうやねえ。もうすぐイブやけねえ」
「えっ?」
「え、何かおかしいこと言うたかねえ?」
「おまえ、結婚記念日覚えてないんか?」
「覚えとるよ。12月24日やろ?」
「アホかおまえは。25日やないか」
「24日…、じゃなかったかねえ?」
「24日は仏滅やったろうがっ!」

どうもうちは例外だったようだ。
しかし、何でこんな簡単な日を覚えることが出来んのか…。


昼間、嫁ブーを連れて芦屋の病院に行ってきた。
あいにく駐車場が確保できなかったので、終わったら電話をもらうことにして病院の入口で別れ、ぼくは近くの芦屋漁港で待機していた。

今日の北九州の天気は小雨模様で、昼だというのに空は暗かった。
その空き地には車が数台駐まっていたものの、人影はなく、何となく不気味だった。
待っている間、本を読んでいたのだが、その本が不気味さに拍車をかけた。

何の本を読んでいたのかというと、曽我ひとみさんのご主人の書いた『告白』で、その時読んでいた箇所が、ちょうど曽我さんが拉致される場面だったのだ。
「もし、拉致されたらどうしよう?」
そう思ったとたん、ぼくはすべてのドアをロックした。

さて、嫁ブーと別れてから1時間が過ぎた。
だが電話は入らなかった。
きっと検査が難航しているのだろう。
先の本のこともあって、何となく重苦しい。
それまで聞いていたラジオを止め、CDをかけたのだが、落ち着かない。

さらに1時間が経過した。
その時、ぼくは猛烈な尿意に襲われていた。
誰もいないので、そこで立小便をしても別に咎められないだろうが、車を出ると拉致されるかもしれない。
そこで近くのコンビニに移動しようとした。
その時だった。
ようやく嫁ブーから連絡が入ったのだ。
「もうすぐ終わるよ」
病院に入ってから2時間、「これはきっと何かある」と思ったが、電話はそこで切った。
それよりも小便である。
さっそくぼくは、コンビニ経由で病院へ行った。

病院に着いてから20分後に嫁ブーは出てきた。
「どうやったんか、やっぱり入院か?」
「いや、入院はせんでいいよ」
「病名はわかったんか?」
「あのー…」
「えっ?」
「ニキビの大きいのなんち」
「あっ?」
「脂肪がたまって腫れたらしいんよ」
「あのグリグリは脂肪の固まりやったんか?」
「うん」
「で、とってもらったんか?」
「いや、そのうち小さくなるやろうということで、何もせんかった」

グリグリの大きさは直径2センチ、高さも1.5センチほどあったのだ。
よくそこまで脂肪がたまったものである。
きっと嫁ブーの体は毒素で一杯なのだろう。
心配して損した。


嫁ブーの足のつけ根のところ(股ではない)に、大きなグリグリが出来ている。
何日か前に気がついたらしいのだが、比較的大きく触ってみると堅い。
最初はリンパかと思ったが、場所が若干ずれているし、痛みもないらしいので、そうではないように思える。
ちょっと気になるので、明日病院に連れて行くことにする。

しかし嫁ブーは病院に行くことが多い。
整体院や整骨院を含めると、今年はもう10回以上も行っている。
ぼくが病院に行かないので、年に何度も病院に行く嫁ブーを見ると、つい「病弱じゃないのだろうか?」と思ってしまう。
頑丈そうな体をしているのに、どこがどう弱いのだろうか?

そういえば、結婚前に駅で倒れて、救急車で運ばれたことがある。
その時は1週間ほど入院した。
CTスキャンなどいろいろと検査をされたが、結局そこでは原因がわからなかったらしい。
その後退院してからも、体調が思わしくなく、今度はかかりつけの医者に行っていた。
そこでようやく、倒れた原因が自律神経失調症だとわかったのだが、これまたやっかいな病気である。

ああ、十二指腸も悪くしたこともあった。
その時は入院はしなかったが、何度も病院に通院していた。
血液も薄く、常に貧血気味らしい。
かといって薬を飲むでもない。
胃が弱いからだという。
風邪を引いた時にも、薬は飲まない。
怪我をしてテープを貼るとかぶれるし、イビキはかくし、屁はしょっちゅふるし…。
いやはや大変な体質の持ち主である。

とにかく、明日病院に連れて行く。


ぼくが猫好きであることは、この日記にも何度か書いたことがある。
とにかく猫を見つけると、思わず「チ、チ、チ」と舌を鳴らして呼んでしまう。
猫嫌いの嫁ブーはそれを聞くと、すぐに「呼びなさんな。来たらどうするんね」と言う。
だが、近寄ってくる猫はまれで、ほとんどの猫は立ち止まって振り向きはするものの、あとは知らん顔して去っていく。

先月だったか、嫁ブーと街を歩いていると、一匹の黒猫が道ばたに座っていた。
例のごとくぼくが舌を鳴らして呼ぶと、「ニャー」と言いながらノコノコとこちらに向かってきた。
すると嫁ブーは「キャー」と言って走って逃げた。
ぼくは何人かの猫嫌いを知っているが、走って逃げるのは嫁ブーぐらいだ。
嫁ブーは猫嫌いというより、猫恐怖症なのだろう。

しかし、何で猫が恐いのだろうか?
まあ、こういう恐怖症というのは、幼児体験の影響が大きいと言うが、嫁ブーの場合は、猫から被害に遭ったような経験はないらしいから、それが当てはまらない。
そこでぼくは、それを前世と結びつけている。
嫁ブーの顔は鳥に似ているのだが、おそらく前世は鳥そのものだったのだろう。
だから、猫が恐いのだ。

例えば、下のような写真を見ても怖がるのだから、よほど猫が恐いのだろう。




そういえば、7月に嫁ブーと食事に行った時に、食事の途中で嫁ブーが急にソワソワしだしたことがある。
「どうしたんか?」と聞くと、嫁ブーは「あれ」と言って、ぼくの後ろを指さした。



これが「あれ」である。
その店の飼い猫が、イスの上で気持ちよく寝ていたのだ。
嫁ブーはこれを見てから、まったく食事に手を付けなくなった。
そして、ぼくに「先に出とくけ」と言って、さっさと店を出ていったのだった。

こんなにかわいい猫の、どこがどう恐いのだろうか?
猫好きのぼくには、それがわからない。


やはり寒い。
今日の北九州八幡の最高気温は23℃だったらしい。
これは5月の気温である。
昼間、嫁ブーを連れて行くときに、車内の曇り止めのために若干温度を高めにしてエアコンを入れていたのだが、それでも寒くてしかたなかった。
鳥肌は立つし、首筋は冷えるしで、車を降りた時は震えが来ていた。

さて嫁ブーだが、相変わらずちゃんと歩くことができない。
とはいえ、今日は珍しく自分から歩くと言った。
そこで、病院帰りにコンビニに寄ることにした。
ところがである。
店の中を歩く嫁ブーの姿は、腰を曲げ、足を引きずり…で、まるで婆さんを連れて歩くようだった。
「杖でも買ってやろうか」と言ったのだが、やはり見栄があるんだろう、それは断った。
しかし、腰を曲げて歩くくらいなら、杖をついたほうが、まだ見栄えはいいと思うのだが。

とはいえ、自分から進んで歩く気になったということは、徐々に治ってきている証拠なのだろう。
歩き方がおかしかったのは、きっとしばらく歩いてないせいで、足の筋肉が萎えているからだ。

ということなので、治ったら、リハビリもかねてイオンまで歩かせることにするか。
歩くと片道25分だから往復で50分、ということは5キロくらいだ。
歩くには、ちょうどいい距離である。
7月に入ってから嫁ブーにつきあっているぼくも、動かないせいで多少太り気味になっているし…。
ぜひそうすることにしよう。


昨日、嫁ブーを初めてうちの職場に連れて行った。
その辺にいた人を捕まえては紹介していたのだが、嫁ブーはそのたびに笑顔で「いつもお世話になっていまーす」と愛想を振り撒いていた。
もちろんほとんどの人が嫁ブーとは初対面なのだが、中にはぼくの日記を読んだり、ぼくの話を聞いたりして、ある程度の予備知識を持っている人もいる。

ぼくが一番嫁ブーに会わせたいと思っていた、イトキョンもその一人である。
イトキョンはぼくの横にいる嫁ブーを見るなり、「あっ、お嫁ちゃん?」と聞いた。
ぼくがうなずくと、イトキョンは勝手に自己紹介を始めた。

イトキョン「初めまして。イトキョンでーす」
嫁ブー「初めまして。いつもお世話になっています。イトキョンさんの話はよく聞かせてもらってますよ。写真も見せてもらったし…」
イ「私のほうも、よく写真見せてもらっていますよ」
嫁「えっ、どんな写真見ましたか?」
イ「寝ている写真とか、あと腰痛の時の写真とか」
嫁「‥‥。いつも変なのばかり撮るんですよ」
イ「そうやろ。私なんかホームページに載せられたけね」
しばらく二人で話したあと、嫁ブーは「ちょっと買い物してきますから」と言って、その場を離れた。

ところで、うちのパートさんの中には、イトキョンをしのぐ大物が一人いる。
名前をユリちゃんという。
お酒好きな方、というより飲まれるタイプの方で、誰彼かまわず飲むと抱きつく癖がある。
いや、それは人にだけにではない。
抱きつけるものなら何でもいいのだ。

以前、会社の新年会があった時のことだが、お開きになった後、ユリちゃんは一人で大騒ぎしていた。
何をやっていたのかというと、柱に蝉のように抱きついて、「ねえ、今日は帰りたくない」と言っていたのだ。
そばにいた人が「あんた、誰に言いようと?」と聞くと、ユリちゃんは「この人」と言って、抱きついている柱を指さした。
おそらく酒のせいで、人と物の区別がつかなくなっていたのだろう。
柱から引き離そうとすると、「いやー、帰りたくない」と言って駄々をこねる始末だった。

そのユリちゃんには、お酒以上に好きなものがある。
それはカラオケである。
カラオケ道場に通っているらしく、歌は大の得意なのだそうだ。
ぼくは2年ほど前に、一度だけユリちゃんとカラオケに行ったことがあるのだが、その時は自慢ののどを充分に披露してくれたものだった。

まあ、歌はいいとして、そこでもユリちゃんはユニークな行動をとっていた。
カラオケボックスに着くなり、ユリちゃんはぼくに一枚の紙を手渡した。
何だろうとその紙を見てみると、そこにはぎっしり歌の題名が書かれてあった。
ぼくが「何、これ?」と聞くと、ユリちゃんは涼しい顔をして「今日うたう歌」とおっしゃる。
「これ全部歌うと?」
「うん。順番間違えないでね」
「えっ、おれたちが入力すると?」
「うん。機械よくわからんもん。お願いね」
ということで、ユリちゃんの歌う歌は、すべてユリちゃん以外のメンバーが入力したのだった。

それに加えて、前述の通り、お酒好きである。
その時は、ビールをコップに半分飲んだところで出来上がってしまい、ぼくたちが歌うたびに、立ち上がって変な踊りをしていたのだった。

さて、昨日の話に戻るが、買い物を終えた嫁ブーが戻ってきた時、嫁ブー登場の噂を聞きつけたのかどうかは知らないが、そこにユリちゃんが現れた。
そこでぼくは嫁ブーを紹介した。
するとユリちゃんは「えっ、奥さん? まあ、どうしましょう」と言いながら、かけていた老眼鏡を外し、丁寧に挨拶した。
「初めまして」
「いつもお世話になっています」
嫁ブーがそう言った後だった。
急にユリちゃんは近づいてきて、小声で嫁ブーに言った。
「カラオケ行こうね」

初対面なのに、さっそくカラオケコールである。
これには、さすがの嫁ブーも唖然としていた。


ぼくの家からセブンイレブンまでの距離は、およそ50メートル。
すごく便利である。
特に嫁ブーは、コンビニの近くに住むのが夢だったので、大変満足している。

ところが数日前、しろげ家に激震が走った。
何と、その便利なセブンイレブンが移転するというのだ。
何でも、店の前に路上駐車する車が多く、他の車の通行の妨げになっているから何とかしろ、と警察から指導を受けたための措置なのだという。
実は、そのセブンには駐車場がない。
いや、あることはあるのだか、店の敷地内にないのだ。

さて、その移転先はというと、現在店が建っている場所から50メートルほど離れた場所、家からだと50メートルプラスになるから、およそ100メートルほどの距離になる。

その話を聞いて落胆したのは嫁ブーだった。
「朝刊を取りに行ったついでにパンを買ってこれる距離だったのに…。移転したら途中信号もあることだし、ついでに買いに行くという距離じゃなくなるやん」
夜は夜で、「夜、セブンの看板に灯りがついているのを見るのが好きだったのに…。あーあ、遠くなるのか…」と言う始末だった。

嫁ブーがそうこぼした翌日に、移転地の工事は始まった。
「ああ、とうとう始まったね」
そう言って嫁ブーは肩を落とした。

そのまた翌日、落胆している嫁ブーに電話が入った。
「ねえ、あんたんちの隣のセブン、移転するらしいね」
「うん…」
「冷蔵庫のような存在やったのに、残念やねえ」
「うん…」
嫁ブーは力なく返事をしていた。

ところが昨日のこと。
いつものように仕事が終わってから嫁ブーを迎えに行くと、嫁ブーは晴れやかな顔をして車に乗り込んできた。
「おっ、元気いいやないか」
「そりゃそうよ」
「何かいいことあったんか?」
「うん。セブンの移転話があったやん」
「ああ」
「あれね、実はセブンじゃないんよ」
「えっ、セブンじゃない?」
「うん」
「じゃあ、何なんか?」
「ファ・ミ・マ」
「ああ、ファミマか。じゃあ、セブンはどうなるんか?」
「セブンはねえ、そのままらしいんよ」
「そうなんか。あの話はガセやったんか」
「うん」
「ということは、家から100メートル圏内に、コンビニが二つになるんやのう」
「そういうこと」

嫁ブーの声は弾んでいた。
いったんは移転すると思って落胆していたから、その喜びは倍にもなっていたのだろう。
ということで、これまでいつもマーガリンジャム入りが定番だったパンだが、これからはバラエティが増えることだろう。
出来たら、シュガーバター入りのパンが食べたい。


昨日ここに、『天満宮ゆかりの梅の花は、時期が早いためか、まだほころんではいなかった』と書いたのだが、これはあの有名な『飛び梅』のことではない。
神社内にある梅林のことである。
飛び梅のほうは、例年正月過ぎに咲くから、すでに遅かったわけだ。
と思っていたら、今日の夕刊に『太宰府の飛び梅が今日開花した』と書いてあった。
何でも、この冬の厳しい寒さで開花が遅れたらしい。
ということで、昨日は遅かったのではなく、早かったのだ。

さて、昨日嫁ブーの後ろ姿を公開したが、あれを見て、「嫁ブーさんは、ブーじゃないじゃないですか」と言った人がいる。
ということで、ちゃんとお答えした。
「いや、ブーですよ」
「どう見ても太っているようには見えないですよ」
「太っているから『ブー』と付けたわけじゃないんですけど」
「えっ?」
「『ブー』というのは、太っているという意味だけじゃないでしょ?」
「確かにそうですけど、それなら『お湯』とか『お茶』という意味ですか?」
「『お湯』?『お茶』?…ああ、赤ちゃん言葉ですね。でも、それだと『嫁茶』になるじゃないですか」
「そうですよねえ…」

「ブーというのは名詞じゃないですよ」
「名詞ではない?」
「ええ」
「ということは、いつもブーブー言っているということですか?」
「嫁ブーはインコみたいなくちびるをしてますけど、ブーブーは言わないですよ。いつも寝てばかりいますから、ブーブー言う暇がない(笑)」
「じゃあ、何だろう?」
「ブーというのは擬音ですよ」
「おなら?」
「おならねえ…。まあ、確かにおならはしますけどね。『ブー』じゃなくて、『プー』という音がします」
「うーん…」

「降参ですか?」
「はい」
「例えばクイズ番組とか見ている時、嫁ブーは考えもせずに答を言うんですよ。それがいつも間違っている。それでぼくはいつも『ブー』を多発しているんですよ。ブーというのはそういう理由から付けたわけです」
「なるほど。もしかして奥さんB型ですか?」
「そうですが…」
「やっぱりね」
「血液型は関係ないでしょう」
「いや、ありますよ。B型は言いっぱなしのやりっ放しですからね」
「そうなんですか。ぼくはてっきり、嫁ブーの脳がおかしいとばかり思っていましたよ(笑)」


毎週月曜日の午後10時からは、テレビ東京系の『名曲の時間』を見ている。
今日は「青春感動ソング」ということで、70年代後半から80年代にかけてヒットした曲を流していた。
ちょうど桑江知子の『私のハートはストップモーション』が流れていた時だった。
ある疑問が沸いてきた。
そこでぼくは嫁ブーに聞いた。

「おい、この歌、会社に入った頃に流行ったんかのう?」
「えっ、もっと前よ。79年ぐらいやなかったかねえ。わたしまだ高校生やったもん」
「ああ、そうか。おれ、その頃の歌はあんまり知らんけのう」
「昔の歌をあれだけ知っとるのに、どうして?」
「それには理由がある」
「理由って何?」
「それは、東京におったけよ」
「えっ、その当時は東京のほうが情報が多かったやろ?」
「そうやけど、情報を仕入れる肝心なものがなかったんよ」
「何?」
「テレビ」
「えーっ、テレビ持ってなかったと?」
「おう。貧乏人やったけの。久保田早紀の『異邦人』を知ったのは、翌年こちらに帰ってきてからやった。テレビがなかったけ、サンヨーのCM見れんかったけのう。そうそう、クリスタルキングの顔見たのも、翌年こちらに帰ってきてからやった」
「ふーん、そうなん」
「おまえ、テレビのない生活なんか考えきらんやろう?」
「うん」
「千葉の友だちのアパートに遊びに行った時、白黒テレビがあったんよ。他の奴らは『いま時白黒?!』とか言いよったけど、おれにはまぶしかったのう。YMOはその時初めて見た。だから今でもおれの中にある坂本龍一の顔は、白黒なんよ」

「でも、テレビがないとか、いややねえ」
「なければないで、何とか楽しめるもんぞ。あれ以来ラジオを聞くのが好きになったし、何よりも曲作る時間が取れたことが大きかった」
「しんちゃんはそれでいいけど、わたしはやっぱりだめやね」
「もしよ、このテレビが壊れたらどうするか?」
「買えばいいやん」
「でも、液晶とかプラズマとか買う余裕ないぞ」
「あ、そうか」
「そんなの買いよったら、あのバタバタ音のするエアコンの壊れた車に、いつまでも乗らないけんくなるぞ」
「ああ、そうよねえ」
「テレビも車みたいに、60回分割とかできたらいいのにのう」
「そうよねえ」
「あ、そうか。車を買う時にテレビをサービスで付けてもらえばいいんよ」
「ああ、その手があるねえ」
O君に言って、付けてもらおうかのう」
「そうやねえ」

ということで、ホンダのO君。
ぼくはプラズマテレビを付けてくれるところで車を買うことに決めましたので、報告しておきます。
よろしくね。


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